泥沼のMacro-ROKKORレストア物語

X-H1 Minolta MD Micro-ROKKOR-X50mmf3.5

先日手に入れたMinoltaのマクロレンズにぞっこんで撮影が楽しい。ところが可愛さ余って手に入れたレンズの前玉のコーティングを剥がしてしまった。ミノルタのレンズはデリケートなことを忘れて分解レストアしてしまったことを後悔してもはじまらないが諦めきれない。やってしまったのは前玉のみなら、前玉がきれいならむしろ他にダメージがあるなり外見や絞りなど動作がNGなジャンクを安く手に入れて前玉だけ交換すればよいと思い、安く表示されている無責任そうなヤフオク出展に手を出してみた。

ご覧のとおり、まさに「やっちまった」。といっても富士フィルム製の定番レンズクリーナーでクリーニングしただけでこんなになってしまった。こうなると何をしていいのか精製水か、それとも諦めて現状で使うか。やはりダメージがあるレンズは手に入れないというのが正解か。

善は急げとヤフオクのジャンクレンズを漁り、良さげな物件を見つけ、予定価格を予約入札で入れておいた。その後わたしの見間違えで応札したものが、ロッコールでなくニッコールだと気が付いたが時すでに遅く、応札した金額って訂正できないんですね、誰か上を脱いてくれという不思議な願い虚しく、落札。このレンズはNikonの名作で安い値段で手に入って嬉しいけど、すでに1本持っているのです。

気を取り直して、というか一旦この件は忘れて、リトライすることに。今度は間違いなくロッコールだったのだが…。

送られてきたものがコレ。よく見ると…。

向かって左がコーティングをやってしまった今回の主役、右が落札して送られてきたもの。同じMinolta MD Micro-ROKKORで50mmf3.5なのだけど、型番をよく見ると右のものは「-X」が追加されたMD Micro-ROKKOR-X 50mmf3.5というもの。気づかずに入札したので悪いのはまたわたし、またしても「やっちまった」。

これあまり情報がなくて、はっきりしない。チャットGTPさんに聞いてもなにか怪しげで-Xの表記は輸出用だとかマニュアルフォーカスの総称(当時のレンズはみなマニュアル)とかトンチンカンなことを教えてくれるので、正直言うとまだわからない。どちらかがNew MDすなわち世代が一世代若いのかもしれない。中身は一緒なのかもしれないがレンズは精密なもの、そのまま前玉を入れ替える勇気はなく、このーXくん、ジャンクのわりには程度がよく、フレアもあまり出ないのでそのまま採用することにした。

では、そもそものダメージ玉はどうするか。写真家野村誠一先生がYou Tubeでわざわざこのミノルタ50mmマクロをべた褒めしてライカより時にはいいんじゃないかまで、言いながら手に持っていたのは、向かって左、すなわちダメージ玉のほうだった。もう後には引けない。というか破れかぶれでまたまたヤフオクへ。

今度こそ間違いなく-XがつかないMicro-ROKKOR、前玉はご覧のとおりノーダメージ。ただしそこはジャンク、レンズ内部は若干汚れていて、後玉に取り切れなかったと思われるカビ跡の点が。後玉の汚れやダメージは玉ボケの中に模様として写り込んでしまうからできれば避けたい。これが幸い、ダメージ玉の後玉は全く汚れなし、めでたくニコイチ手術にてグッドコンディションのMinolta MD MACRO-ROKKOR50mmf3.5を復元。なにやってんだか。

MC ROKKOR50/1.4のレンズフードをつけてみた。

これで一件落着?いやまだ残業が。ロッコールと間違えて無駄に増えたMicro-Nikkor55mmf3.5、これはどうしたかというと、今まで持っていたものは写りは抜群、つまりレンズは完璧なのだけどこんな問題を抱えていて…

このレンズの持病である絞り羽の油染み。それに加えてヘイコイドがスカスカ。間違って落札したものは問題なし。というわけでこちらもユニットごと交換してニコイチにしてめでたしめでたし…?

とはいえ、ニコイチされたもとあるほうもレンズはグッドコンディション。ならば直したいところだが、油染みは工具がなくて絞り羽まで到達できずに宿題にしたとして、ここのイモネジの頭を壊してしまった。このネジを入れるために結局またジャンクレンズを探すことになるかと。

まさに沼。しかも泥沼。

電球を使ったフレアテストです。絞りは3.5で電球の根本にピントをあわせてます。前玉ダメージが右上で、結果が顕著です。前玉は写りにあまり撮影に影響がないということをよく聞きますがこの結果の限りではそんなことはないですね。ところが逆光でない環境だとふつうに写ります。

驚くべきはMicro-Nikkor55mmf3.5の逆光耐性で、その横のFuji純正と比較しても電球の表面のにじみはNikkorがむしろ上にも見えます。このFuji純正はレンズラインナップの中でも高性能&高評価の一本ですからこれは驚きです。

逆にFuji純正を現代レンズの写りの基準と仮定するなら、レストア後のMinoltaとNikkorは同じレベルの逆光耐性とも言えるかと思います。お互い40年も前のレンズですが、当時のコーティング技術はすでに完成の域だったのかもしれません。

以上、ここしばらくでわたしに起こった、オールドマクロレンズの泥沼寄稿でございました。

無駄にこんな本数が。Nikonはf2.8も持っていて計3本。

*結局MIciro-ROKKORとMicro-ROKKOR-Xの違いは謎のままでした。誰かご存知のかたぜひ教えてください。

追記:下記のサイトによると、-Xは1977年のMD第一世代、Xなし無印は1981年New MD世代とのことだそうです。

http://minolta.eazypix.de/lenses/index.html

#microrokkor50 #micronikkor55

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