手持ちのオールドレンズを撮り比べてみた*比較作例

X-H1 RICOH Rikenon XR50mmf2

コロナでやることがなくなり、はじめてしまったジャンクカメラやレンズのレストアにすっかりハマって、気がついたらレンズだけで30本以上になってしまった。そろそろ置き場所にも困ってきたし、処分を考えているのだが、さて何を残してどれを処分していいものやら。考えてみたら模写を比較したことがないから選びようがないことに気がついて、同じアングルで撮り比べてみた。その中から比較写真を何枚かご紹介してみたいと思う。

すべて絞りはf8、三脚に固定してピントはネック側のピックアップを中心にしている。

左からSuper-takumar50/1.4、SMC-takumer55/1.8、Supre-takumar55/1.8初代、takumar55/2.2、MaltiCoated takumar55/1.8。

Supar-takumarシリーズは、本体に勝手についてきてしまうことが多く、Pentax SPは売れた分だけジャンクも多いから知らないうちに増えてしまった。長い歴史を持つシリーズだがこの比較写真でちょっと珍しいものが一本混ざっている。右から2番めは、無印Takumar55mmf2.2というあまり聞いたことがないもの、ネットにもあまり情報がないのだがどうやら1957年製の輸出用レンズだったと書いてあるサイトがあった。

5群5枚クセノター型、絞り羽はなんと10枚、不思議な絞りリングはこれ、プリセット絞りというらしい。

この比較では、電球の滲みがこの57年製のレンズが下手するといちばん優秀なのではないかという出来で驚いた。まあこの実験だとレンズの性能というよりは汚れや傷が性能を低下させているところが多いから、一概にこれで逆光耐性を語るのは間違いだと思うが、それにしても立派な出来だ。というより一連のtakumarシリーズが優秀なのだろう。*左から2番めのSMC-takumarの電球の滲みが多いのは傷玉だからと思って今見てみたら、これがなんととてもきれいなバリ玉、これはどう評価していいのか…末裔だからいちばん逆光に強くて然るべきなはずだが。

右から2番めのMicro-Nikkor55/3.5、4番目のMD Micro-ROKKOR50/3.5がレンズがクリアな分?くっきりと写っているように見えた。画角が違うので比較対象から外れるが、いちばん右のMD Micro-ROKKOR100/3.5は電球の滲みがなく、表面が映ってしまっている。これはすごい。真ん中のROKKOR-Xは若干の汚れあり、それがもろに影響しているように見える。拡大してみると解像力も低い。

f1.2の対決をしてみた。左からCanon FD55/1.2、Minolta MC ROKKOR PG58/1.2、そしてFUJIのラインナップでも評価が高い現役FUJI XF56/1.2R、現代レンズと70年代、60年代レンズの比較だが、CanonもROKKORも後玉にコーティング剥がれのダメージがあるため、勝負にはならない。ROKKORはそのままダメージの結果が出ているような出来だが、思いのほか頑張ったのが左のCanon FD、解像感では現在レンズに刃が立たないとはいえ、でははっきり勝負がつくかというと、第一印象ではそんなに差を感じなかった。f8まで絞っているからかもしれない。電球の滲みは、現役のFUJI XFがわりかし滲んでるなという感想。ゴーストも出ている。ちなみにこのXFは傷も汚れもまったくない状態のもの。

28mm対決はどれも優秀だった。特筆すべきは右のNikkor-H AUTO28/3.5、これはかなり古い1960年なのだが、ご覧のとおり中央のNikkor28/2.8(1977年)とほとんど見分けがつかない。

35mm近辺での比較。左は画面の文字に誤りがあり、正解はMC ROKKOR35/2.8です。中央はライカMマウントのM-ROKKOR40/2、Minolta CLEについていたもの、右がFUJIの現役レンズで神レンズと評価が高いXF35/1.4R。1981年製のM-ROKKORがFUJIでいちばん人気があるXF35mmを電球まわりなど要素によっては追い抜いているように思える箇所がある。Leicaとの共同開発と言われる伝説のレンズ、おまけに小さくて軽くてかっこいい。日差しによっては盛大な虹色ゴーストも発生して、これは只者ではなさそうだ。

最後に各社の50mmf1.8近辺を並べてみた。左からFUJINON、SMC-Pentax、Rikenon、Minolta MC。F2近辺のレンズはどれも外れがないとよく言われているのは、当時発売されていてカメラに標準でついてきたすなわちキットレンズなので目に留まることや評価される事が多く、手の抜けない製品だったからだろうか。この比較ではNikonが一歩抜きん出ていて、Fujinonが追っているような印象。Fujinonは色乗りもよく、とてもよく写る。一方中央のRICOH Rikenon、これは人気の富岡光学製の初代、またの名を貧乏ズミクロンというオールドレンズでは名高いものなのだが…。

このレンズはとてもひどい状態で値札が日に焼けて値段が見えなくなるほど放置されていた。それをなんとかレストアしたもので、我ながらうまくレストアできた一本だったのだが、この結果はなんだろうと思って、よく中を見てみると、汚れが落としきれてない部分があり、中玉のレンズの縁にはうっすら拭ききれてないカビも見えた。レストア時にヘリコイドまわりの難儀を克服して満足して手落ちがあったのか。

この写真を最後に持ってきたのは、この結果を利用して、今一度クリーニングしたらどういう結果になるか、これを今回のオチにしようと思ったためです。ではどうぞ。

翌日撮ったため若干の画角のずれはあるけれど、基本的には同じ状態での撮影です。ご覧慣ればおわかりのとおり、右がクリーニング後です。汚れといってもわずかなものだったのだけど、こんな極端な結果に。

よくオークションなんかで「わずかなカビ曇りありますが写りには影響ございません」みたいな説明文見るけど、みなさんそんなことないですよ。

それぞれ個性を持ったオールドレンズたち。今後、これら一本一本に焦点を当て、作例満載で紹介していこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

#オールドレンズ比較

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です