ちょっと前のこと。近くのリサイクルショップをのぞいてみたら、こんなものが5千円で転がっていた。
カメラ本体はMinolta XD、オートフォーカス化前夜に世に出たミノルタの大傑作、世界初の絞り優先&シャッター優先をどちらも備えたカメラで、これは実はすでに一台持っている。
問題はこれについているレンズ、Minolta Micro-ROKKOR50mmF3.5 これは存在自体知らなかった、というかオールドのマクロレンズはNikon一択というか、Nikonが40年もの長い間、販売し続けたマイクロニッコールのみが使い物になるものと思っていた。
コロナで引きこもりを強要され、やることないからはじめたジャンクカメラのレンズのレストア、もうコロナも終わったことだし、部屋に所狭しと並べられたレストア済の古いカメラたち、もうこれ以上増やすことはするまいと、卒業宣言をしたばかりだったが、このように外観もきれいだし、MDからはじまるミノルタは70年代終わりから80年あたりのものなはず、ということはオールドレンズというより現代のレンズに近い写りが期待できそう、一日迷ったが結局、買ってしまった。
最初の一枚がこれ。Nikkorのようなパキパキな写りとは違うが、背景のボケかたががやさしい。これが特徴なのか。
これはいくらか絞っていたと思う。解像が甘いかというとそんなことはなさそうだ。
これもかなり絞って撮ったと思うが、なかなかの写り。でもどこかやさしいというか理科の写真っぽくない。
上の写真も含めてすべて手持ちの撮って出しで、レタッチはしていない。これなんか上から覗いて撮っただけなんだけど、よく写りますね。特に中心から外に向かうグラデーション、ここNikonだとちょっとどきついというか、色が分かれてしまうようなことがあるように感じられるが、このグラデーションはもしかしてこのレンズ、この効果を活かすにはいいのでは?
単焦点レンズとしてふつうに撮ったもの。まあまあふつうに撮れてます。
買ったときはこんなふうに中間リングもついていて、これをつけると等倍マクロになるらしい。上記の撮影はこのリングを外しての撮影した。APS-C機だからこれでも十分。
ただこのレンズ、実はどうしようか迷った挙げ句に、小さい汚れを落とすため分解してレンズ掃除したら、なんと前玉のコーティングをはがしてしまった。ミノルタのレンズは弱いことをすっかり忘れていたが、たしかよくあるのは後玉の裏って思っていた(過去にやってしまったことがある)。そのせいか逆光に弱い。最初は値段も値段だし、Nikonの脇役でいいかと思って諦めるつもりだったけど、上記のバラの出来栄えを見て、これ、もう一本欲しくなった。
数日前に、You Tubeを見て驚いた。
写真家・野村誠一先生のチャンネルをいつも見ているのだが、数日前はマクロの作品を特集されていて、ほとんどはライカで撮っているらしいが、ちらっと一瞬、これも使ってるんですといって映ったのは、なんとなんとこのレンズだった。先生は案外ボカして撮るっておっしゃっていたから、もしかしてこの作例のように、やさしい背景を評価されてのことなのかな。
ネットでの情報はとても少なく、レビューしている人もほとんどいない。そのせいか1万円以下で手に入る相場みたいなので、これ、かなりおいしいレンズなのかもしれない。
もう一本ちゃんとしたのを探すことにきめた。