オールドレンズの割には新しめでこのレンズは1979年製品、リサイクルショップで薄汚れたMINOLATA XDに装着されたままジャンク箱にいたものを救出してきたもの。一式で1980円だったけど、値付け間違えていたのか、撒き餌商品だったのか…、カメラは一箇所打痕があるだけで電池を入れたら問題なく動いてしまった完動品で、レンズはカビにやられていたけど、落ちるタイプのカビだったので、きれいに除去できていとも簡単に復活してしまった。
この時代のレンズは今のレンズに写りが近く、であれば現役のFUJI純正レンズには敵わないわけで、そんなわけでこのレンズ、コレクションの中では上質のコンディションなのに、隣に安置されているもっと古くて解像しないレンズが持ち出されることはあっても、出番を与えられることはほとんどなく、ずっと放置されたままだった。
先日、このブログのネタにしようと、持ち出して撮ったのがこれ。
え?こんなんでしたっけ?MINOLTAの先入観からするともっと淡いイメージだったけど、全く逆の色乗り。
ボケが古いレンズっぽくちょっと暴れ気味だけど、多くの古いレンズに比べると上品なほうだと思う。
え?オールドレンズっていうほど逆光に強い。絞り羽が6枚なので玉ボケに角が出てしまうのは、普及レンズだから仕方がないところ。オールドっぽくて味と捉えるかどうか。
遠くがどう写るか試してみた。よく解像して今のレンズとあまり変わらないと思う。
最短撮影距離は0.45mでそこそこ寄れる。
調べてみるとこのレンズを装着してうちにやってきたMONOLTA XDというカメラはそうとう気合が入った製品だったとのこと。絞り優先とシャッター優先を両立させた最初のカメラでその技術はLeicaに提供されたとのこと、実際触ってみても巻き上げやシャッターの感覚が他のカメラにはない、なんとも上品でなめらかな感触なんですね。ミノルタはきっとこの頃、ノリノリでその勢いがレンズにも出ているのでは?60年代から70年前半にかけてのMINOLTA MC ROKKORが低コントラストで解像感もNIKKORあたりと比較するとちょっと弱いかなという印象だったが、このレンズ、つまり型式がMDになるとガラリと変わってしまったのかな。レンズコーティングの技術もきっとかなりこの時代に向上したんでしょうね。これは他のメーカー、PENTAXやFUJINONなんかにも言えるが、MINOLTAとCANON(FL→FD)は顕著だと感じる。
久しぶりに使用してみた印象は、色乗りの良さとコントラスト。重たい感じの色乗りが好きな人には向いていると思う。逆にオールドレンズらしさはあまり感じられないので、レトロ感を求めるならMINOLTAならMDより前のMC型番だと一気にレトロ感満載の写真が撮れるはず。ただ解像感はいまいちなので、ジャンクレンズな価格でならわたしの経験だと、PENTAX Super Takmar 55mmF1.8がピントがあっていれば解像するし、ゴーストもきれいに?出るし、やはり抜きん出て色っぽいのかもしれない。
なにかとてもいいレンズなことに気がついたので、近々もう一度作例を撮りに行ってみます。そうですね、曇の日のレトロな街並みとかよさそう。