皆様こんにちは。
ご心配ありがとうございます。
そんな皆様に8月に突然降りかかった厄介な病気について、詳細と治療の経過を改めてご説明申し上げます。はじめてこの事実をご覧になるかた、以降良くない話しでスイマセン。
病名は喉頭がんです。正確には声門がんと言って、声帯が患部です。声の枯れ(嗄声)が病状で、今は囁く程度まで音量が低下してしまいました。
8月中旬に発覚し、その後、地元大学病院で告知され、最終的に国立がんセンターに行き着きました。ステージIIIの進行がんと診断され、放射線と抗がん剤を併用しての治療を行うことになりました。
治療は9月より始まり、心配されていた重大な副作用や後遺症もなく先週予定通り放射線35回&抗がん剤3クール、8週間に渡っての治療が施され、先週すべてトラブルなく終了致しました。
ここまでの間、演奏やレッスンなど全ての仕事をキャンセルし、治療に専念させていただきました。ご関係者の皆様にはご迷惑をお掛けいたしましたこと、誠に申し訳ありませんでした。
現在は治療のダメージの回復を測りつつ、経過をみて今後の治療がどうなるか判断していただく局面で、静かに「その時」を待っている状態です。
皆様のおかげでやっとここまでやってきました。各方面からの応援ありがとうございます。
今回は手の痺れというギタリストにとって致命的な後遺症が出るか出ないか、今だから書けるんですがこの切実な賭けがありました。これは抗がん剤の副作用の有名なもので、一旦生じてしまうと一生治らないものです。もしこれが生じたら「残念ですが諦めてください」と言われていました。一瞬迷いましたが命あってのことと家族を考え、賭けてみることにしました。
もし賭けに負けたら、音楽の神様の意志と解釈して、引退する覚悟でした。
この後遺症は抗がん剤投与後、遅くて約一週間で生じると言うことで、昨日がおおよそ該当日でした。
昨日時点で、痺れは生じませんでした。
これを受けて、私は音楽の神様がまだギターを弾くことを指示していると、解釈させてもらうことにしました。
今後の経過によっては声を失うかもしれませんが、そうなってもとりあえず楽器演奏は残りました。
もう楽器を弾けなくなるかもしれない、この絶望的な不安がようやく昨日私の心から去って行きました。
重ねてこれをきっかけに私の現状をご報告することに至りました。
以上、まだ根本的には何も治っていないので時期尚早か迷いましたが、以降のことは神様の知るところと覚悟を決めまして、上記これまでの経緯と現状をお伝えいたしました。
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がんは怖い病気です、陰険で執拗で家族や生活を巻き込みます。なってしまったものは仕方がないんですが、治してしまわないと厄介ですからイケるとこまでがんばって、できれば退治し、いずれにしても必ず現場に戻ります。
私はまだやりたいことがあるので、こんなところでやめるわけにいきません。
同時に、この病気に目をつけられたからには、今後死ぬまでこの厄介者と関わりながら生きていくことになろうかと思います。
この病気は情報が交錯しています。夫婦揃って巻き込まれ、とても困惑しました。命がけのことに対してインチキ情報が邪魔しますからたちが悪いです。
私が今、経験していることは、事実ですから情報としては有意義かもしれません。
闘病中のかた若しくは克服したかたのことを「がんサバイバー」と言うらしいです。
まだ克服には全然至っていませんが、闘病中でもよければ、私もすでにサバイバーですね。
それもあって。
入院と闘病日記を下記のアドレスで書き下ろしてきました。音楽話と違って辛気臭い内容ですが、現場の出来事を生々しく記録しています。気が向いたら読んでみてください。(後々ここの書き下ろし文章は校正&整形して当サイトに移動して公開する予定です。)
イチロウ通信 http://ichiro-news.blogspot.jp/
皆様、たくさんのご心配やご配慮、応援ありがとうございます。
2015.11/23 スズキイチロウ