イチロウQ2013全3巻 ありがとうございました。

みなさまこんばんわ。

6月のイチロウQver1.0、8月のイチロウQver2.1(ボーカル入りだったのでマイナーバージョンアップしてみました)、うまぱんDUO、昨日10/26イチロウQ2013、お越しいただきましたみなさま、ほんとうにありがとうございました。

今年復活させないと、もうタンゴ以外のワタクシは過去に葬られてしまうと危機感を感じまして、計画しましたイチロウQ再稼働計画、うまぱんDUOのご依頼も含め、昨日のイチロウQ2013にて、今年はおしまいです。

プチでの3回のイチロウQ、これはグループサウンズなバンドの再結成みたいなものと思われてもなんなんで、それぞれ目的を作って順番にやってみました。

イチロウQver1.0、これは結成メンバーのスズキイチロウ(g)小森慶子(ss,bcl)磯部英貴(b)金子清貴(d)でなんと8年ぶりの演奏でした。こんなにほったらかしていたバンド、当時のメンバーのみなさんが覚えていてくれるだろうか、そんな昔のことにまだ興味を持ってくれるだろうか、つまり、この日は、私のオリジナルが通用するのか?やってもらえるのか?タンゴを弾いている私しか知らない今のプチローズのお客さんに聴いてもらえるのか?これがテーマでした。

結果は不思議なことに、誰もがまるで先月演奏したばかりのように感じたそうです。もちろん私もビックリするほどそうでした。一言一句覚えているもので、音楽のチカラってすごいです。当然この年月でみんな成長しているところはわかるんで、これも音楽のチカラというか信心ですね、みな素晴らしい演奏で満員のお客さんにもバカウケでした。懐かしいお客さんが電車を乗り継いで東向島まで我々の演奏のために来てくれました。

8月のイチロウQver2.0、この日はある意味、この一連の企画の本丸でした。2008年から5年ほっておいたこの南米風イチロウQ、当時の演奏がこのサイトのMP3ページで公開してありますが、この時、弾いている私がどう思っていたかというと、こんなギターしか弾けない私がやるには早かったなという、穴があったら入りたいような…、バンドコンセプトとしてはけっこうウケたんで、メンバーを始め、またやってよ という声が多かったんですが、これはもっと私が弾けるようになってからという理由棚上げしたのでした。
それから、少々練習を重ね、そろそろかなとやっと思えるようになり。ただ当時と同じ曲では申し訳ないので、新曲も入れて、それでも物足りないかと、ボーカルも入れて、なのでカルテットでなく、同じQでもクインテットですね、5人での演奏にしました。
正直、かなり思い悩んで用意をしまして、そのモヤモヤをメンバーのみなさんの懇親の演奏により、ついにタンゴのスタンダードを歌入りで自由に操るという目標を自分なりに達成できました。
この日もバカウケだったんですが、私のいちばんの収穫はというと「音楽思い悩んで行うものではないんだな」という反省でした。

そして昨日のイチロウQ2013、今度は前回の反対で、ジャズ編成のギタートリオにバンドネオンを呼び込み、ジャズのフォーマットでタンゴを扱うということが最大のテーマでした。前回カズマが演じてくれたマレーナ、ソレダー、もともとコレリンと私が実験的にやってきた16分割フリースペースで歌を語らせ、そこに演奏をおっつける手法、これをドラム、ベース、エレキギターのギタートリオで出来るか。
共演者の理解と大熱演によりこの大胆な構想は実に不思議な異空間を作り、またまたバカウケでありがとうございます。
そんなで、台風をぶっ飛ばしたついでに、10年の恨みを晴らすようなこの実験は、成功だったと悦に入っています。

日暮里PORTOで企画していただいた、うまぱんDUOと当時名乗っていた、小森慶子(ss,bcl)スズキイチロウ(g)、これは震災前に演じて以来、2年9ヶ月ぶりとのことでした。このユニットのワタクシ個人のポイントは「ガットギターを乱暴に逃げずにちゃんと弾く」ことで、今までどうしてもこの乱暴方面へのリングアウト、ブッチャー&シークとかその方向のウケというか、まあそもそもワタクシ馴れ初めがそういう経歴なんである時期までは「当然じゃんウケてるんだからいいじゃん」とやってきたんですが、タイガー・ジェット・シンのように、ちゃんとやってもちゃんと出来ることが出来ないとなあ、国際には出れても新日本では呼ばれないよなあ、若者諸君には何を言ってるだかわからない、しかも全盛時代に慣れ親しんだ前期中年諸君にもわからない昔のプロレスの歴史を引き合いにする、そんな思いからの再挑戦。
結果は、これも小森さんの演奏に助けられて、やっとこさ、少々落ち着いて納得できる演奏が出来ました。

そんなで、8年ぶり、5年ぶり、2年と9ヶ月ぶりなイチロウ百選、ずっと待っていていただいたお客様、遠く愛知県や水戸から駆けつけてくれたかたがた、覚えていてくれてありがとうございました。それと時間の経過と関係なしに共演してくれたメンバーのみなさんの友情に厚く感謝しています。

…。

もしタンゴをやらずに、ジャズだけ、イチロウQだけやっていたらとワタクシはたまに考えます。それは最短コースでいいことだったのかもしれませんが、演奏力という点でどうだったか。
タンゴはとても演奏力を求められる音楽で、ほんとうはワタクシのような腕前ではお呼びでないと今でも思いますが、石の上にも三年どころか柿が実をつけるくらいまでの時間、タンゴで鍛えた鍛錬がきっと具体的には現れているはずだと信じらるようになってきまして。この信心はけっこう大きくてね。

そもそもこのイチロウQは、ギター特有の変わった和音を響かせるために、エレキを指で弾くこと これを目的に作ったんですね。

ところが指でギターを弾くというのは、コレ、クラシックギターだと当然な弾き方なんですが、私にとっては実に難しいことでした。
そのために、当時私はガットギターで指弾きの練習をはじめました。クラシックの初歩の本を見よう見まねで弾いてみたりからはじめたら、頼んでもいないタンゴの仕事があっちからやってきた。いい機会でした。

ギターを指で弾くことがすでに難しいのに、タンゴという音楽は輪を掛けて難しくて、ガンガン練習しているうちにドンドンと時間が過ぎていきました。

そして今回のイチロウQ一連。しばらくぶりに自分のバンドに戻ってみたところ、昔弾けなかったところ、ごまかしていたところ、難所を逃げてきたところが、指で捉えれるように、まあ少々ですが、そんな実感が残りました。

何年ぶりになってしまったのは、結局自分の理想に自分の演奏力がついていけなかったからでね。

もう手遅れな時期に、タンゴに出会って、よかったと思います。

…。

ほんと、一歩ずつですね上達というのは。

マダマダですが。

そもそもが下手っぴなら、一歩ずつやっていくしないんで。

それでも私のような場末ミュージシャンは、誇りと目標の2つのエンジンをうまく動かして、やせ我慢してもこうやってやっていくものなんじゃないかな。誇りとは過去に直接教わった王道な方法、目標とはまだ生きている神様のような演奏家の背中ね。

この2つがあったから慣れない境遇でもやってこれたし、おそらくこれからもやっていけると私は思います。

そんなで。

タンゴとジャズ、水と油の関係の両極端な音楽に同時に関わって、その扱いに困った時期もあったんですが、本来私の専門は、どっちも利用するもの。そして利用するなら、いやさせていただくなら、本家を重んじること。

この図式がわかってからやっと整理がついてきましてね。

つまりジャズにしてもタンゴにしてもなんちゃってではなくちゃんと演じられるように向きあってこそ、それらを利用した自分のやりたいことが、少しずつ近づいてくるかなと。

当たり前の話でスイマセン。
…。

震災後、思い余って、風の吹く町Ciudad de los vientosという曲を作り、

私はこれを作ってから曲が書けなくなってしまいました。

コレはまずいですよね。ノイローゼ?そうかもしれない。心がその場所で沈殿したまま。

でもそれは音楽の一部でしかないなということが、この数回のイチロウQシリーズでやっと見えてきました。

こっちは仕事として責任を持って演奏する立場で

お客さんは、お経とか演説とか聴きに来てるわけではないから。

音楽で思いを伝える、寄り添う、それも大切なことだけども、それだけというのはどうか。

スイングすることを忘れてしまったら、音楽は退屈になりますよ。

スイングだけでイエーも、ついに時代が「古いよ」と言い出している気もするからここの所は難しいんだけども。

どうしたらいいか。

上手に両方組み込めばいいわけです。

ライブ演奏はジャズでワンステージおおよそ5曲、タンゴで8曲。

1曲で終わりじゃないんでね。

まあ私はあまりMCで演奏の流れを止めちゃうのが好きでないんで、そうなると、これらの要素を映画のシーンのように繋いでいけばいいかな。うまくつなげるかどうか、ここが腕の見せどころよね奥様。

後期のマイルスは、この手法でしたよね。

ラショウさんもそうですね。はっはっは。マイルスと同等だ。

…。

そんなで、今年のイチロウQは、来年につながる納得の状態まで持ち直すことができましての終了なんですが。

これだけ休んでいた間に、実はこっそり、地元ではやらせてもらっていました。
これがあったから、再稼働できたと思います。水戸のみなさん、その節は熱き思いと気合のこもった演奏をありがとう。

 

次なる目標は、また楽曲を、思い込まない方向で、つまり足で書けるような状態にですね、 コレです。

著作権管理のかたがたが、演奏しちゃダメよって言ってきても、イチロウ百選なら出来ますので

譜面まで大公開の、出血サービスで、社会に貢献いたしております。

はっはっは。

今度は皆様がより気軽に演奏できるように

足どころか、尻で書きます尻で。

尻か。練習しないと書けないな。

その練習は見られたくないけど、見る方もイヤですよね。

なのでこっそり練習してみることにします。

これから寒いけど

まず般若心経の写経から。

何故筆ペン?

書の基本ですから。

何ごとも基本が大切ね。

なんだかんだ言っても演奏力は

必要ですから。

まあ、今後は何ごとも ムダにがんばらずにがんばります。

メンバーのみなさま、ワタクシの拙い楽曲を大切に扱っていただいて、ありがとうございました。

イチロウQ2013-6
スズキイチロウ(g)小森慶子(ss,bcl)磯部英貴(b)金子清貴(d)

イチロウQ2013-8
スズキイチロウ(g)早川純(bn)小森慶子(bcl)金子清貴(per)Kazzma(vo,voice)

イチロウQ2013-10
スズキイチロウ(g)早川純(bn)磯部英貴(b)金子清貴(d)

イチロウQ茨城版2012
スズキイチロウ(g)川上隆太郎(ts,ss)岩山健(b)榎宣幸(d)

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