みなさまこんばんわ。
ナガイネ!で勝負のフンドシブログ、今日は久しぶりのタンゴ映像付きフンドシでございます。半年前に連載いたしました映像で使用しなかった動画を紹介しながら、わずか数回ではございますが、お付き合いいだたこうと思います。
今日の楽曲はコレ。
El Entrerriano 邦題が「始動」、指導でもなく私道でもない、つまり始まりハジマリという意味です。
*翌日気がつきました、ウソです放題は「エントリレオス州の人」。違う曲と根本から勘違いしていましたが、もう書いてしまったのでそのまま行きます。
楽曲そのものはかなり古いものらしくて、今調べてみたら、1897年、なんと今から100年以上前の曲のようです。*これはホントです。
まさにタンゴの始動、はじまりという曲なのかもしれません。*始動ならそうですが、この曲は「エントリレオス州の人」、始まりとは何の関係もありません。
我々のこの演奏は、まさにキンテートでレアルなスタイルです。このスタイルはけっこう新しくて、新しいといっても60年代かそのちょっと前あたり、ジャズにモダンジャズがあるように、タンゴもモダンタンゴと言われる時代のものがあって、その部類です。
リズムやコードの使い方にジャズの手法が垣間見えますね。
ギターとピアノは独自の演奏ではなくお手本に案外忠実にやっています。我々がよくやるパターンで、ピアノとギターのDUOでまず演奏を完成させて、その他の楽器に割り当てたり増やしたりしていくという手法です。
けっこうキメキメな箇所があり、まあどういう感覚かというと、Cコリアのスペインのあそこみたいですが、タンゴにはそういう要素も必要ですので、メンバーによってはいい年こいていますが、勇敢に挑んで、ちょっとアヤシくてもシレッとやっています、息子がいれば息子がGrecoとかの国産のギターとかでやっているような行為をちょっと恥じらいながら、…。いじらしいおっさんたちです。ご婦人たちは、アレ?ちっとも恥じらってませんね。足で弾いている人もいるような。貫禄ですね。
この温度差こそが、ジャズとタンゴの距離なのよ奥様。
実際弾いてみると、難所がいくつもあり、難しい曲です。特にギターは指が一本足りないような箇所があったり、そんなところでベース音やコードなんて弾くなよーピアノに弾かせろよ的な、レアル独特のわけのわからないギター奏法ありと、楽曲の短さの割りには仕事が多くて、しんどい曲ですが、後半のメロディが好きなので、まあ前半は目立たないようにやってりゃ少々アヤしくても、二度とここは出てこないし、あっという間に過ぎてしまうからまあ勢いでいいかと…、
この映像では、顔に書いてあります。
…。
いよいよ今年もミユキタンゴ秋のツアーが迫ってまいりました。
そう、なので「El Entrerriano」、*ここもツジツマが合いませんが、つまり→ともって行きたかった タンゴ始動!レッツ始動。ゴーゴー。
ミユキタンゴのツアーは、2007年の春から年にだいたい二回行っています。今回で16回目?もう思い出せないんですが、今となってはライフワークというか、年中行事というか。
どうです、みなさん。ツアーっていうと、かっこいいでしょう。
ツアーとは。でっかいトレーラーが深夜の高速走っていくような。そのトレーラーに「On The Road 2013」とか書いてある。昔だったら進行方向が文字順だったので、車体右側は「3102 daoR ehT nO」と英語というよりはロシア語のような看板を引っさげ。
そんなイメージ。ですよね。
まあ似たようなもんですが、我々はトレーラーではなく、5ナンバーのワゴン車1台に、なんでこれだけうまく積めるのか、ジグゾーパズルのように各楽器や荷物を積み込み、というか、組み込み。
ついでにメンバーも積み込み。
土地から土地へ、町から町へ。
この機動力を特技としまして、何処へでもいく。何処でも演奏。それがミユキタンゴツアーよゴーゴー。
大きなホールから、国の重要文化財、各ライブハウス、ホテルのディナーショー、はたまた小さな温泉、家族が昔使っていたアップライトピアノがあるだけの寺の本堂、幼稚園、渋さの仲間がやっているお蕎麦屋さん、ストリップ小屋の跡地…。
こんなことを続けて、もう7年目です。
ということは私だけでなくメンバーのみなさま7つも年をとりまして、ここ最近は輪をかけて 過酷ですよ、実に。
演奏はたいがい夜ですから、終わってから夕食(打ち上げ)済ませて午前様、宿に帰る、明日の準備、明日はたいがい10時チェックアウト、車に詰め込まれて移動、この繰り返しです。
旅の中盤から、食欲がなくなるのはワタクシのパターンで、生物として弱いんですね。
サービスエリアのカツカレーをですね、もう薬だと思ってですね、そのカツが、辛い、辛い(からい)んじゃないですよ ツ ラ イ ね。だったらカレーだけでいいんですが、カロリーとっとかないともう今夜あたりでギブアップするかもしれない、生きるか死ぬかな「ムリヤリカツカレー」が日課です。
(私よりはいくぶん)若いメンバーのみなさんは、大盛カツカレーに地元ラーメンやうどんもつけて食べていますが、このツアーでのカロリー摂取はとても大切なことです。なりふり構ってはいられません。
従いまして、ツアーの後は、出発時より、とてもふくよかになっているか、ミイラのように干からびているか、二手にわかれまして。そして肝臓はパンパンに腫れて顔が赤黒く、衣類も底をついて、上半身と下半身がどうみてもバラバラ。昔駄菓子屋で売っていた「王将アイス」のような色合いですが、底をついたのでしょうがありません。
どうです、かっこわるいだけでなく、可哀想な人たちみたいでしょう。
長年のメンバーとはいえ、他人とずっと一緒にいるので気を使うことも多いです。
少しでも迷惑をかけぬようにと、ふだん使わぬ気を使います。
ところが、疲れてくるとこれが裏目に出たりします。
この間のツアーの時なんか、出発前にトイレに行って車のそばにいないだけで怒られるし。
道中、自己都合で余分なサービスエリア休憩を増やさぬように、と気を使ってのつもりだったんだけど。
親にだってトイレに行って怒られたことはない。
そもそもみなさん、家族に「今からクソしてきます」とか断らないですよね。
そんな過酷な旅ですが。
でもまたツアーに出ようとしているわけです。
では、なんでこんな理不尽なことを乗り越えてでも、やっているのか。
私はリーダーではないので、正確には、なんでこんな過酷な(ドサ)バンドに加担しているのか。
包丁一本~サラシに巻いて~♪
こんな古い歌、若い人は誰も知らないと思いますが
我々は全員が、事務所を経由しない、フリーランスの集合体です。
今回はダンサーのケンリリ師匠もすべて一緒なので7人という大所帯で全ての現場を回ります。
今、国内でこのくらいの編成で長いツアーやってるのは、タンゴじゃうちだけじゃないかな。フリーランスでってことではね。
なかなかできないことですよね。
つまり
役割かもね。
フリーランスは、問屋や農協を通してないから、こんな大編成で、あらお得ね、奥様。
しかも市民会館じゃなくって、あそこの蕎麦屋でやるらしいわよ奥様。
あの広さでダンスなんて出来るのかしら?
お客さんを誘い込んで、踊ってしまうこともあるらしいわ。
ダンスだけでなくて、歌も唄うらしいわよ。
あらヤダ。
これも役割ですよ。
5ナンバーのワゴン車には「On The Road」とは書いていないけれど、
車検証に「タンゴ普及委員会」と書いてある。
役割…。つまり。コレかな。
どうです、ちょっとはかっこよくなってきたでしょう。
…。
まあ、タンゴかどうかというよりも
それぞれの場所で、それぞれの思い
これを一瞬だけでもひとつにまとめるような、
そんな空間を演じるのが我々の役目ですから。
どうです、かな~り、かっこいいでしょう。
というか、なかなか立派な「 旅 芸 人 」になってきたでしょう。
まあ、好きで勝手にやってることなんですけどね。
…。
ワタクシ、若き頃より、でかいホールとかMt.Fujiみたいなイベントとか、
そういうところで演奏するイメージは
浜 省 の バ ッ ク
しか夢見ていませんで。
では、具体的にこの仕事でどういうところを求めていたかと振り返りますれば
お客さんの顔が見えるところ。
イヤ、コレね。イジケてるのでも、開き直ってるんでもなくてですね。
フリーランスということは、好きなことがわりかし出来るということ。これはかなり大切な要素です。
お客さんが見えるというサイズで、音響さんにお世話にならなくてもなんとかなる人数は100人くらい。
100人いてくれるライブが、毎回入って、ツアーが成立したらですよ。
現実問題として夢のような環境ですよ。
好きな音楽が出来て、現場に突入してすぐ音が出て、お客さんの反応見て、楽しんでもらってる顔も確認できて、その駆け引きに一喜一憂してなんて、ミュージシャンの夢ですよ夢。
それか、浜省のバックで1万人か。これはこれで夢でしたが。
そんなわけで、描いた夢と叶った夢に少々の違いがあるものの
しかもかなり「ちんまり」としているものの
実際、夢が叶っている最中ってことですから。
トイレに行って怒られるなんて、屁でもないわけです。
…。
ミユキタンゴ&ケンジリリアナ
ツアー2013秋、今回は長いです。全ての場所にダンスが入ります。
甲府から始まって、九州は熊本まで全工程、18日間。
甲府、御殿場、焼津、四日市、滋賀、奈良、神戸、姫路、広島、福山、北九州、大分、熊本
日頃のモヤモヤをぶっ飛ばすような、天井もぶっ飛ばすような演奏しに行きますんで、
これをご覧の近隣のみなさま、どうか待っててください。