みなさまこんにちは。
昨日のなってるハウスありがとうございました。
お客さんは昔のリマタンゴ、ミユキタンゴを知るかたが多く、懐かしくてうれしかったです。
といってもこの日はミユキタンゴでもリマタンゴでもないなってるハウスならではのブッキングなのでいつもの形から離れるように心がけて演奏してみました。
ワタクシ、タンゴばかり演奏している昨今なんで忘れられがちかもしれませんが、素性は即興演奏家でございます。
なので、昨日はタンゴのスタンダード2曲を、即興型に改造して谷本氏にお手合わせいただきました。
10年前この場所で、ジャズのありとあらゆる手法がタンゴで通用せず、泣いて帰ってばかり。
結局ジャズを持ち込むことを一旦諦めて、ちゃんとタンゴを始めたんですが。
ここにきて少々タンゴを操れるようになったのか、やっとジャズの要素を取り込めるようになってきました。
それはブルースでもパーカーでもなく、自由に風が吹き抜けるようなある種の情景模写というか、そういうイメージを感じて表現するということが使えることがわかりました。
ほんとにやっと。想いというのは時間がかかるものです。
…。
というわけで、即興演奏家、インプロバイザーなはずのワタクシ。
昨年末に同じベルベットサンでやらせてもらいましたのが、15日のラショウ氏公演第二弾。タイトルがなんだっけ?手打ち製麺機のようななにか?そんなような。
前回ご紹介した映像の渋さ、ここで出会ったバリトンサックス奏者の吉田隆一氏とラショウ氏が昨年、ネットで出会ったのがそもそものきっかけで勃発した企画です。
ワタクシ、何も知りませんうちに勃発。光栄なことです。
ラショウ氏。このかたをご存知のかたは、かなり同世代か、かなりマニアなかたなはず。MacFanの創刊号知っている人も多いはず。
昔むかーし、バブルがはじけたその後に、風呂で屁をこいたような「パソコンバブル」という淡いバブルがありまして。
その泡に乗っかって、ラショウ氏はゲームクリエイターとして現れました。イタチョコシステムという名前で記憶の奥のほうにあるかたもいらっしゃるかもしれません。
ワタクシもこのバブルに乗っかっていたひとりでしてね。私はゲームではなくってインチキなお笑い家計簿ソフトをやっていまして、彼と代理店が一緒だったので、この正体不明の人物と出会ってしまいました。
たしか94年か95年のことで、私は東京に戻ってPC関係で食いつなぎながら、演奏をはじめた頃です。
井の頭公園で代理店が企画したお花見ではじめた会ったと思います。その時出していた彼の作品にこれもまた前回の映像でトランペットを2本同時に吹いている変わった人がいますね、北さん、彼が手伝っているということで、あれまあ近いんですねとなり、たまに一緒に飲んだり麻雀やったりしました。
その後、バブルがはじけて、私はPC業界から足を洗って音楽だけをやるようになります。ラショウ氏は、秋葉原のはずれにお店を出したまではどうもバブルだったようですが、その後は音信不通で。
そして数年後、彼と常磐線の中で、まさに偶然ばったり再会。
カネがなくなって、流山のタダみたいな家を借りて住んでいるということでした。で、可哀想なのでうちに飯でも食いに来てくださいよと誘ったら「食わせてください」。
我が家にいらした際に、ゲームクリエイターではないラショウ氏の素顔をこのときやっと知ることになります。
オリジナルな唄も歌う仮面舞踏家、人形浄瑠璃(これもオリジナル)もやっている。
音楽として誘われてしまいまして、以降浄瑠璃を含め、またお付き合いがはじまりました。
吉田隆一との接点は、彼の奥様がイタチョコシステムの大ファンで、って年齢でもないと思うけどつまりマニア方面がそうとうなもんなんだなきっと、その縁で私とは全く関係なく接点が生まれたとのこと。
ラショウ氏の映像があまりないので、なかなか説明しずらいというか、どう説明していいかわからない、そんな芸なんですが。
ワンステージの物語に音楽や踊りが散りばめられている、そうですね、演劇とか一人芝居というとご本人は違うというかもしれませんが、そっちな感じかな。お楽しみいただけると思います。
我々演奏家、いや学士は、ほぼぶっつけ本番状態で、脚本を右目、同時に譜面を左目で見ながら対応するという、かなり強烈なスリル。
なんつってもいつかの氏の名文句、「今日は拍手もらわない方向で」。
今回この日のために神戸から上京しての一回かぎりの公演です。
即興性多めという打ち合わせをさきほどスカイプで行いましたので。
前回ガットギターでやって、おそらく聴こえなかったっぽいので、今回はエレキでやろうかな。
ワタクシも拍手もらわない方向で。
最後の最後だけ、盛大な拍手をお願いしますね。
この日は、対バンで、我々の他にすごいバンドが出演します。
”無重力スイング・ホテル”
田ノ岡三郎(aco)、大塚レオナ(tap)、斉藤良(ds)
前回も一緒だった若手3人組のユニットで、こんな編成でサウンドすんのかと思っていたんですが、いや実に見事でした。そのエネルギーに感動しました。
斉藤良は私が昔やっていたイチロウQでしばらく参加してくれていたドラマーで彼とも数数年ぶりの再会でうれしかったです。先日このバンドを聴いて、こんなすげーやつがやっていてくれたのかと音源を残さなかったことを後悔しました。
タップダンス、アコーディオン、ドラムという我々の世代では予想もつかない編成で、見事にサウンドしていました。タップのレオナさんはダンスというより楽器そのものでした。田ノ岡くんのアコーディオンも情熱的で楽器をフル活用しながら打楽器2人に見事に溶け込んでおりました。
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