みなさま連続してこんばんわ。
はじめてコレをお読みいただいておりますみなさまこんばんわ。今4話目でして、一話から「ブエノスアイレスの冬」「ワタクシのオリジナル」「Sur-リハモ版」と
3回に渡りまして、ある意味、タンゴらしくないというか、ジャズ方面からもご理解いただける楽曲と情報をお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。
今回、5回目はコレ。
それでもやっぱりタンゴはなあというみなさまへ、もう一発ピアソラものです。
Fuga y misterio フーガと神秘という曲です。
フーガです。もうやりたい放題ですね巨匠。
ジャズからある意味いちばん遠いところにあるタイプの様式です。アドリブでやったらディキシーランドジャズになってしまう。なのでこればかりは譜面をちゃんとやらなければなりません。
コレはじめて弾かされたときのことをよく覚えています。弾かされたというか弾けなかったんですが、我々ジャズの人間は、自分の音よりも人の音を聴いてナンボなところを求められますよね。
ところが、この様式は、人の音を聴いたら、ロストしてしまう。フーガですからそれぞれ似てるが異な旋律を奏でて成り立つ様式です。
従って、自分を捨てて人の音聴いてナンボで一丸となりジャズをやってきたその姿勢がすべて逆効果。
人様のことを気にする余裕があったら
ち ゃ ん と 自 分の パ ー ト を 弾 い て く だ さ い。
という声が聞こえてくるようです。
というかアヤシイですね今でもところどころ。やっぱりキョロキョロしながら弾いてますしね。
そういう聴き方はよくないですよ。
というわけで、イヤな昔を思い出してしまいましたが、楽曲としては、フーガっていいながら、それは前半戦だけであとはなかなかジャズな要素満載です。コード進行なんかもろジャズですよね。
このバンドにしては珍しくアドリブも全面に出ていますが、意気揚々と弾きに入ったついでにズッコケて失速しているのは私だけ?あとのみなさんはかなり冷静に「さっさと」済ませているこの温度差がミユキタンゴの良さですよみなさん。
半ばからバラードになりますね、実は原曲はここで終わってしまいます。アドリブパートもありません。
うちのバンドはくどいのが好きなので、ゲームセットと思わせてもう一回盛り上げてキメキメやってます。
アレ、タンゴの美学に反するのでは?このコピペな繰り返し。
というより、冷静にこうやって考えてみると
あまりタンゴとは関係ないような。
バンドの形態がタンゴでよくある五重奏団なのと本人がバンドネオン奏者だからタンゴに聞こえちゃうけども、これ、バンドネオンがソプラノ・サックスあたりだったらむしろジャズ売り場にあるような音楽なんじゃなかろうか。
いやプログレ売り場か。
ピアソラ売り場ですね。
ピアソラの曲は、タンゴが様式としているエンディングのキメ、チャンチャンなG7-Cね、これを一切使用していないのが特長よ。
味噌や醤油など一切使用していませんとは桂花ラーメンのキャッチフレーズ。「一切」ってなかなか度胸がいるのね。
タンゴの美学をぶっ壊すといって忌み嫌われたこともあったらしい。
桂花ラーメンも当時やみつき派と二度と行かない派に別れた(同級生の間で)。
ピアソラは幼い頃、NYとブエノスアイレスを行ったり来たりしていてNYの音楽は知っていたから
タンゴが持つ個性の中の一種の「いなたさ」を見抜いていたのかもしれないですね。
このいなたさ、これがタンゴを好きになれるか拒否してしまうかのポイントだと私は考えています。
ピアソラ作品は、洗練されていますよね。どこか都会っぽい。
それまでのタンゴも、そもそもアルゼンチンの首都ブエノスアイレスの、つまりそもそも都会の音楽なんですが、
都会っていってもいろんな都会があるからね。
仙台だって都会よ奥様。
名古屋なんて大都会よ。
三越もあるでよ。
なんとなく、今後の展開がお分かり頂けたでしょうか。
そのとおり。次回からはこのタイプの「ジャズのかたでも何とか」、という楽曲からだんだん離れてまいります。
つーか、映像のネタがもうそういうものしかない。
あと数回ですんでねこのシリーズ。
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明日は、東向島プチローズで演奏します。
横っちょに映っているライブインフォのとおりで久しぶりにバンドネオン入りのトリオです。
明日のワタクシのテーマは実はこっそり決めていまして。
明日は
しなやか。
で。
年末のなってるハウスで、イケイケ演奏をDUOでやりまして、
たくさんのご来場ありがとうございました。
あとでこの時の録音聴かせていただきまして
ゲ ッ プ が 出 て し ま い 。
まあこういう気合の入ったコテコテ演奏、言い換えれば品のないタンゴもやる人少ないから貴重ですよやめませんよ。
でも。
明日は川波ちゃんと一緒なので、川波ちゃんの持ち味の爽やかさを引き立たせるには
しなやか かなと。
というかこの編成のミユキタンゴトリオは軽さや透明感みたいなものができるユニットなので。
おっちゃんのくどい要素はちょっと控えめ。油控えめ。
で、一日おいてこれも横っちょに記しております。
こっちはおっちゃん2人(と、おばちゃんひとり)。
なってるハウスでファンダンゴスの谷本さんと我々DUOとの演奏。
こっちはしなやかとはいかなそうですが。
お互いおっちゃん同士、いや弱音楽器同士の友情を活かしたネタは用意しようかと。
どうぞお運びくださいませ。