みなさまこんにちは。
年末にYouTubeに投稿したミユキタンゴ「桜座」動画。
一部でご好評をいただいてると同時に
「 長 い よ 。」
と実に当然なご意見も。
そりゃそうです、ノーカットでライブまるまる投稿しちゃったんで。前半57分、後半43分、合わせて100分。
前半だけでも上野から牛久あたりまで来てしまうような長さ。とういうことは柏で降りるはずが牛久まで乗り過ごしてしまうかもしれない。2本とも見たら水戸の先まで行ってしまって一泊しないと帰れないかもしれない。
YouTubeのアクセス状況を見ますとどうも、やっとこさ一部をご覧になられて力尽き、2部まで至っていないという現実が数字に現れておりまして。これはいかがなものか。
特にタンゴにあまり馴染みのないかたにとってはしんどいのではないか。
と心配しまして、この作品を曲ごとにバラしまして、一曲ずつ順不同で公開することにしました。
一曲目はコレ。
ピアソラものを選んでみました。ブエノスアイレスの冬という曲です。このバンドにしては珍しく真面目に、原曲に忠実に譜面を再現しています。
楽曲の構成は、最初の16小節の主題を、手を変え品を変えインタールードもはさみ調も変えながら、これでもかと繰り返し、後半で徐々に変化させ情で盛り上げた挙句に、一転にわかに安定したオチに持っていくという、みごとな起承転結曲です。
特長をジャズ的にアナライズしますと
例えば9小節目からの進行、ピアソラによくある、ベースが半音づつ下がってくる進行、これはつまりドミナントモーションの連続ひねり技なんですね。Ab7-Db7-Gb7-B7-E7-A7-D7-C#7~。これの3度と7度をベースに持ってきて、
Ab7/C – Db7/B – Gb7/Bb – B7/A – D7/Ab~。
b9入れてディミニッシュなサウンドにしているためか、出回ってる譜面ではあまり正確に記されてないことが多いです。
ジャズの影響なんでしょうか、かっこいいですね。私も自分の曲でこっそり使ってます。不安定→不安定の連続技です。
でこの主題を三回も繰り返した後の、突然転調。というか移調。Gm – G#m – Am、2分音符の和音だけで動きます。歌舞伎のような強引さですね。で、主題がまたまた出てくるんですが今度は気合を入れたピアソラリズムで繰り返され、まってましたの真打登場というムードになります。
こんなふうにして楽曲が盛り上がった後のオチの部分はどう収拾をつけるかというと、主題と同じようにベースラインが下降していくんですが、
Eb – Gm7/D – Cm – Bb – Ab – Gm – Fm7 – Bb7
松田聖子あたりの曲を思い起こさせる純粋進行です。さっきまでのセカンダリードミナントや突然の強引転調はどこへやら。あっけらかんとダイアトニックな進行です。テンションたる音が使われません。
そんなふうにこの曲は、長く厳しい冬から春がやってくると誰もが感動してしまうという。
イヤマイッタ!
…。
私はこのセンスがピアソラらしさだと感じます。屈託の無さというか、思いつき先行で、まずやってみてダメならもうやんなきゃいいじゃん的な、一種の軽さを持っていないと、このような大胆な曲には至らないような。
こんな演歌みたいな曲ダメだー、とか、なんか80年歌謡曲みたいになったからボツ、とかいう尻の穴の小さい感性ではこういう曲はきっと書けないんだろうな。
ピアソラが書いた曲は2000曲とも言われていて、これほんとだとしたらすごい数です。勤務日数に置き換えるとすれば、会社に出勤して一曲書かなきゃ帰してもらえない、タクシー券も不景気で出ないから、泊まり込み。そんな環境で10年勤務しなければ達成できないという。
書く→捨てる
当然へんてこりんなのも半端なのもできる、そういうのは捨てるか次の曲のオブジェクトとして使う
残った曲が名曲となる。の図式。
こういう大ヒット曲に隠れて、けっこう「?」な曲もピアソラってありますよね。奇々怪々なものや実験的なのとかも。
それがあるからこういう名曲がある というのはあながちウソではないような。
というか、そういうのを才能というのよね奥様。
演奏して酒飲んで屁こいて寝てるようじゃマダマダね。
演奏して酒のんで気が大きくなったら、屁こきながら楽曲書かなきゃダメよ。
そう作曲は考えはじめたら負けなのよ。
思いついたときに足で書かなきゃ。
今はPCで楽譜書けますから。
足で断片書けたらPCに入力したあとその部分を、
残りの小節に ctrl+C ctrl+V つまりコピペしてね
マウスで小節囲って適当に「転調」。
で強引にコードをでっち上げると。これはジャズを長年やってきたから得意分野よ。
でっち上げ。b9とか#11とかを多用するのが根拠を隠すコツよ。
dimとm7(b5)は使いわけようね、インチキがバレるから。
で、こねくり回したら、オチを作るのね。Yesサビねサビ。
それはね
聖子ちゃんね。それか尾崎亜美。パクりはダメ、テイストよ。
ピアソラファンのみなさま、誠にどうもスイマセン。
大作曲家は、作品数が圧倒的に多いということを言おうとして、
自分の話にすり替わってしまい
こんな結論になってしまいました。
—-
*はじめてワタクシの文章をお読みいただいたみなさま、はじめまして。
だったら最初に書けよコノヤローという注意書きなんですが
このようにワタクシのブログは
「 ム ダ に 長 い で す 。」
MIXIで長年書き垂れてきたこのムダに長い文面は、マイミクなかたがたに「フンドシ文」とか「フンドシ日記」と揶揄され、生きてきた(意味不明)。
なので本人すでに作家気取りですから取り付く島がありません。
正確には作家ではなく、「フンドシライター」という職種です。
自分で命名しました。
お読みになる場合は、お時間のあるときにどうぞ。